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2016-08-14

人工膝関節全置換術(TKA)の運動療法【ピラティスによるリハビリ】

人工膝関節全置換術の運動療法

人工膝関節全置換術(TKA)は、変形性膝関節症や慢性関節リウマチによって障害された膝関節機能(可動性・支持性・無痛性)を再獲得するために行われる手術です。

主に除痛を目的とされる手術ではありますが、医師の所見のもと適切な骨切りやコンポーネントの挿入などにより可動性・支持性という点に関しても完成度を高めていくことが大切になってきます。

しかし、多くの場合、患者様は術前から膝の屈曲・伸展制限を有しています。術後には、その可動域が制限されることが多いので適切な手術後の運動療法が大切になってきます。

皮膚の伸張と滑走について

TKAに伴って傷ついた皮膚・皮下組織・筋・靱帯などは術後2~3週の間に瘢痕性(外傷が治癒した後に残る変性部分のこと。結合組織が多く毛細血管は少ない)に修復されます。中でも皮膚・皮下組織は運動の際に大きな動きを求められるため瘢痕の影響を大きく受ける組織と言えます。ですので、術後の理学療法でアプローチしていただく点になります。

膝蓋上嚢や膝蓋下脂肪体のモビライゼーションも痛みない範囲で積極的に行って可動域の拡大を行います。

足関節について

TKAを行うことで、内反変形していた膝関節は適切なアライメントに矯正されます。その際に膝関節は強制されていますが、変形していた膝に対応していた足関節・股関節・骨盤・脊柱のアライメントは矯正されていないという視点を持つことは術後の膝関節の可動域の拡大に必要なものになってくると思います。

足関節は、回内位を取っていることが多いです。足底は、内側に過剰に荷重がかかり足関節内反筋の作用が低下していることが多いと思います。その際に、open kinetic chainで足関節内反の動きを認識してもらうことが大切ですが、段階が上がるとclosed kinetic chainにて足底の位置をやや外側にかけた状態での下肢運動のパターンの再学習をしていくと良いと思います。

股関節について

股関節は、屈曲・外旋していることが多いです。骨盤は前方スウェーしているため股関節は伸展に位置しているかもしれません。

「萎縮した筋肉は伸張性が欠ける」ため、屈曲しているから伸展方向に動かす。また、外旋しているから内旋方向に動かす・その方向へ誘導する筋肉をつけるという以外の発想も良い結果を生むために必要であると思います。

屈曲・外旋方向の筋群を求心性に活動を求める再学習を行い、その後に遠心性活動を行うことで良い結果を生む場合もあります。萎縮しているのか、緊張しているのかという確認に関しては理学所見を確認してみると良いと思います。

骨盤・脊柱について

骨盤は後傾・脊柱は屈曲していることが多いです。脊柱が屈曲しているため骨盤後傾しているかもしれませんし、下肢の不良なアライメントに誘導されて骨盤の後傾に伴って脊柱が屈曲しているのかもしれません。

一人一人なぜその姿勢や関節のアライメントになったのかという順番は違うと思いますので確認することが運動療法をする意味の一つでもあると思います。

TKA術後とピラティスについて

TKA術後から退院まで4~6週程度かと思います。その間に、理学療法にて術層の管理・皮膚の伸張性の改善・関節可動域の改善・歩行機能の改善を行っていただくと思います。

運動療法は前述した通り、当該関節を1箇所診るのみでは上手く行きづらいケースもあります。

退院後、さらに関節の可動性・支持性を高めていきたいという方にはピラティスはとても良いワークになると思います。

ピラティスでは、マシンを使い足裏がマシンに接地した状態から行うエクササイズがあります。それにより足裏の感覚を意識しながら下肢の動きの良いパターンを学習していくことができます。その際の骨盤や脊柱の位置なども小器具で調節するため良い姿勢を保ちながら無理なく運動を進めていくことができます。

その良い動きのパターンによって不必要な筋肉の緊張を防ぎスムーズな関節運動を導けるようになります。

痛みのなる方には、施術を行うことも可能です。また、動きの範囲を小さくしたり、スピードを落としてエクササイズしていただくことによっても痛みなく運動していただける場合があります。

ピラティスによって、体の関節の可動性を広げて、安定するための筋肉をつけていきませんか。小さな「おっ!なんかいい感じ」のような自分だけの分かる体の変化の嬉しさを感じていただけると思います。

TKA術後のアクティブライフのためにピラティスのワークを取り入れていただけると嬉しいです。

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