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2016-08-01

変形性膝関節症の運動療法とは【ピラティスによるリハビリ】

変形性膝関節症の症候

膝のこわばる感じを初徴とすることが多く、長く正座をしたり胡座をかいた後に立ち上がる際の疼痛や、膝が伸びにくいことを訴えることが多くあります。

長時間の歩行で疼痛が増強し、膝関節の内側または膝蓋骨にも痛みを訴える場合も多いです。

膝の完全伸展が困難になり、足が伸び切らなくなる可動域制限が生じます。また、女性ではしばしば下腿静脈瘤が認められて、この循環動態の異常が夜間痛と関連されると言われています。

関節包が肥大して関節液が過剰に貯留して膝蓋跳動という現象が認められます。

内側型変形性膝関節症では病変が進行すると膝関節は屈曲、内反変形が増強します。

脛骨は大腿骨に対して外旋位をとる変形が生じます。

変形性膝関節症の成因

変形性膝関節症の病因は一次性と二次性に分けられます。代謝性疾患、外傷、先天異常など明確な原因があるものは二次性としており、60歳前後の女性が、誘引なく膝の痛みや運動障害、膝に水が溜まるなどの症状を認めて明らかな原因がないときには一次性に分類されます。

変形性膝関節症の分類

変形性膝関節症を部位別に分類すると内側型、外側型、混合型に分けられます。

変形性膝関節症の病気分類はkellgran-Lawrence分類の使用が多く、

  • 骨棘形成
  • 関節裂隙の狭小化
  • 軟骨下骨の骨硬化
  • 膝関節のアライメント

などの所見を見て総合的に判断されます。

変形性膝関節症のアライメント評価

下肢のアライメント評価として、膝外側角(FTA)を指標とする場合が多いです。

大腿骨骨幹部と脛骨骨幹部それぞれ線を引いて、それらの交点の外側角を評価したものです。

成人男性の正常値が178°、女性が176°であり軽度外反しています。

また下肢機能軸(Mikulicz線)も使用する場合が多いです。

大腿骨頭中心より足関節中心までの直線を引いた荷重線のことであり、下肢機能軸と膝の中心との距離で膝の内反・外反を見ることができます。

正常膝では、膝中心のやや内側に下肢機能軸が通過します。

また、一般的に内側型の変形性膝関節症の方はFTAが180°以上を示すことが多いです。

変形性膝関節症の運動療法

内側型変形性膝関節症では、膝関節の内側に過剰な圧縮応力がかかり関節がズレる・擦れるなどの力が通常より大きくなります。それにより軟骨の欠損・骨棘の形成・関節可動域の膝伸展制限が起こるなどして周辺軟部組織を刺激して痛みが生じてしまいます。

通常、姿勢としては骨盤後傾・股関節外旋・外転・下腿外旋・足関節回内位を取ることが多いです。

歩行時にはlateral thrust(膝外側動揺)といって左右への動揺が大きくなる現象が生じます。

すると、腸脛靭帯にストレスがかかり痛みを呈している例が多く存在します。

ですので、運動療法としては歩行時の左右動揺性を軽減することを目的に下肢の可動域に影響の多い骨盤・股関節周囲の筋力からアプローチしていきます。

股関節伸筋の柔軟性改善と筋再教育を行います。コアマッスルの再教育を行い特に多裂筋をトレーニングすることで骨盤の安定を図ります。次に股関節外転・内転筋のバランスを改善します。

次に、膝周囲にまつわる筋肉の再教育を行うと内側広筋の筋力の弱化・外側広筋の柔軟性の低下が生じていることが多いですので筋再教育・筋バランスの改善を行います。

足関節では、回内可動域を過剰にすることで足部周りの安定性を保つ状態が多いですので回外方向への調整を行います。

具体的には、足関節屈筋の筋再教育を行い足関節の動的安定性を高めます。

そのほかには、体幹・上肢・頭頸部の調整も行わなければいけません。

筋肉の再教育を行って関節の位置を修正を行い、膝内側への圧縮応力を軽減することで膝関節の痛みを軽減・回復することができます。

「動き始めに痛い」「動いている最中に痛い」などの症状を持つ方は「動き方」に問題がある方が多いです。

プライベートスタジオエアーで得意にしている「動き方」を改善することで変形性膝関節症の疼痛が改善されることが期待できます。

変形性膝関節症とピラティス

運動療法として、股関節周囲筋・膝関節周囲筋・足関節周囲筋の筋再教育・筋バランスの改善を図ることで関節の位置をニュートラルに誘導して膝関節内側への圧縮ストレスを軽減することができます。

ピラティスでは、マシンについているスプリング(バネ)をによって動きをコントロールできたり・効果的に筋肉の再教育を行うことができます。筋肉の柔軟性も改善して股関節周囲の関節可動域も拡大します。

固有感覚受容性という機能のによって筋肉が動くタイミングの改善も図ることができます。筋肉が働いてほしいタイミングで動くように改善できます。それによってバランス機能が高まり安定した動作・歩行を獲得することができます。

膝の痛みを抱えていると行動範囲が狭くなり、周囲のコミュニティへの参加する機会が失われなり趣味活動を行えなくなる状況が出来やすいです。膝の痛みをピラティスで改善して、一人一人にとっての生活の充実を高めていただければ嬉しいと考えています。

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